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あきらめるか、債務整理を追求するか

多重の負債は、返済するのに苦労します。しかし、債務整理を行うことによって、無駄な返済を減らすことが出来るかもしれません。

会社の規模が大きくなればなるほど、固定費もふくらんでいきます。
売上げをあえて抑える会社を大きくして株式公開、億万長者になることをあえて求めない起業家もいます。
売上げを増やし会社を大きくできる状況なのに、売上げをあえて抑えて会社を大きくしないのです。
東京の副都心の駅ビルでカジュアル衣料店を経営するD社もそんな会社の一つです。
D社のお店の広さは一五坪ほど。
駅ビルの商店街の一角にある、女子中学生、女子高校生をターゲットにしたショップです。
とにかく大繁盛です。
夕方や土曜日、日曜日などのピーク時には店内に女子中高生があふれ、レジに行列ができるほどです。
このたった一五坪の店が年商1億円、利益3000万円をたたき出しているのです。
あたりまえのことですが、女子中高生がいるのは東京の副都心だけではありません。
東京の下町にもいますし、郊外にもいます。
東京だけでなく大阪にも名古屋にも、札幌にも仙台にも福岡にもいます。
ということは、お店を各地に出店すれば、同じような年商や利益を見込むことができるといえます。
社長のもとには副都心の店の繁盛ぶりを見た日本各地の駅ビルや大型商業ビル、郊外型のショッピングセンターのオーナーから、出店の要請が相次ぎました。
なかには「内装の費用をオーナーが負担するから出店してほしい」という話もあったそうです。
一〇店舗を出したら、1億×10店、うまり年商10億円の会社になれます。
二〇店舗を出したら、1億×20店、うまり年商20億円の会社になれます。
株式公開、億万長者になることも夢ではなくなっていたのです。
ところがD社の社長はすべての出店要請を断ってしまいました。
売上げをあえて抑える道を選択したのでした。
増やしたくない固定費なぜ売上げをあえて抑える道を選択したのでしょうか。
それは、D社の商売が流行り廃りの激しいファッション業界、なかでも最も流行に敏感な女子中高生を対象にしていることにありました。
D社の社長は、「いまは売上げがいいが、いつ悪くなるかわからない。
そのときに備えて固定費をできるだけ切り詰めておこう」と思っていたのです。
D社にはいわゆる「事務所」はありません。
会社として持っているスペースは店舗だけで、仕入先業者や広告代理店、銀行などとの打ち合わせは、お店が開店する前に立ち話ですませます。
ちょっと込み入った話のときは、お店の目の前にあるファーストフード店でコーヒーを飲みながら、というようにしています。
また、経理などの事務作業は、社長が自宅に持ち帰ってやります。
つまりD社には応接室もなければ、事務室もないのです。
経理担当もいなければ店長もいないのです。
究極の固定費削減状態です。
こんな会社経営ができるのはD社の売上げ規模が小さいからです。
D社の社長は固定費を下げるため、規模を大きくしない道を選訳しているわけです。
一店舗と一。
店舗の場合の利益を比較するD社の社長が「売上げをあえて抑える」という選択をした理由を、会計学の立場から考えてみることにしましょう。
前提の条件は次のとおりとします。
1店舗あたりの売上げとお店にかかる経費売上げ1億円まずは一店舗だけで経営する場合の利益を試算してみましょう。
社長の報酬を2000万円、管理コストにういては話を簡単にするために0円とします。
売上げから仕入れ、店舗費、社長報酬を差し引いた金額が利益なので、次のとおり計算をすると1000万円になります。
次に一〇店舗で経営する場合の利益を試算してみましょう。
社長の報酬を2000万円、管理コストにういては1億8000万円とします。
*管理コストの内訳店長の人件費……1000万円×10人=1億円総務・経理の人件費……500万円×6人=3000万円本社の家賃など……5000万円売上げや仕入れ、店舗費は一〇倍になります。
そこから社長報酬、管理コストを差し引いた金額が利益になります。
したがって利益は1億円になります。
売上げ仕入れ店舗費社長報酬管理コスト利益10億円-5億円12億円-2000万円-1億8000万円=1億円お店の数を増やすと、それに応じて売上げが増えるので、利益も大きくなります。
お店が繁盛していれば、規模を大きくしたほうが利益は大きくなります。
売上げがダウンした場合の利益はそれでは売上げが30%、50%ダウンした場合、利益はどのようになるのでしょうか。
試算してみることにしましょう。
なお話を簡単にするため、仕入代金以外の諸経費は変わらないものとします。
まずは30%ダウンのケースを見てみましょう(124ページ参照)。
一店舗の場合は500万円の赤字、一〇店舗の場合は5000万円の赤字になっています。
次に50%ダウンのケースを見てみましょう。
一店舗の場合は1500万円の赤字、一〇店舗の場合は1億5000万円の赤字になっています。
この結果を見て、「なんだ一店舗でも一〇店舗でも赤字じゃないか。
D社の社長がなぜ一店舗にこだわったのかわからない」と思われたことと思います。
しかしここで注目していただきたいのは、赤字になるか、ならないかということではありません。
赤字の金額です。
そして赤字の金額と社長報酬の関係です。
そこからD社の社長があえて売上げを抑える選択をした理由が見えてきます。
一店舗のケースを見てみましょう。
30%ダウンの場合、赤字の金額は500万円ですので、社長報酬を1500万円に下げればトントンに戻すことができます。
50%ダウンの場合でも赤字の金額は1500万円ですので、社長報酬を500万円に下げることでトントンに戻せます。
一方、一〇店舗のケースでは赤字の金額は30%ダウンなら5000万円、50%ダウンなら1億5000万円です。
社長報酬を下げてまかなえる金額ではありません。
D社の社長が「あえて売上げを抑える」ことを選択した理由はここにありました。
一店舗の規模であれば、たとえ売上げが半分になってしまった場合でも、社長の報酬を下げることで、なんとか会社をやっていけるのです。
社長の報酬は会計学的には固定費とされます。
しかし中小企菜の場合、会社が儲かっていれば増やす、景気が悪ければ減らす、というように会社の利益を確保するための調整弁のような役割を担っています。
中小企業の社長はいう報酬が下がってもいいように決して贅沢をしないものなのです。
損益計算書を見てみよう株式投資はされていますか。
株式をお持ちの方のところには、決算期ごとに決算書類が郵送されてきます。
少し前までは最低限の書類だけでしたが、最近はカラーにしたり、吹き出しをつけたり、会計に詳しくない才が見ても理解できるように工夫されていますのでぜひチェックしてみましょう。
決算書類のなかでも特にチェックしていただきたいのが損益計算書です。
この章までに説明したことを思い出していただけば、その会社のさまざまな情報が読みとれます。
損益計算書の基本第1章末の「会計学の扉を開けてみよう」を思い出してください。
そこでは、売上げから費用を差し引いて利益を計算するという損益計算書の基本的な考え方を説明しました。
しかし会計学の正式な損益計算書では利益を最終的な利益だけでなく、段階的に「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」を計算していく構迫になっています。
このようにいくもの利益を計算する理由は、各利益を計算することで、より深く会社の儲けの様子を表示することができるからです。

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